技術書典6 で出す React 本新刊の予告/書評をもらえた話/お取り置き始めました
今週末の 4 月 16 日(日)に池袋サンシャインシティで開催される、国内最大規模の技術同人誌即売会「技術書典 6」にて、弊サークル「くるみ割り書房」は React を題材にした新刊を頒布します。
私は前回の「技術書典 5」からサークル参加させていただいてるのですが、今回の新刊は以下の 2 冊となります。
新刊書の内容
1 冊目は、前回の技術書典 5 で頒布した『りあクト! TypeScript で始めるつらくない React 開発』の増補改訂版です。 初版はイベント当日に上下巻合わせて約 600 部を頒布、その後 BOOTH にて上下合本の電子書籍版が 400 部以上売れているので、通算で 1,000 部以上が出たことになります。
特定の開発技術、Web フロントエンドのフレームワークをテーマにした技術同人誌でこれだけ反響がいただけたのは非常にありがたいことです。 読者の方々からのご感想は Togetter にまとめてありますので、気になる方はそちらをご参照ください。
2 冊目の『りあクト! TypeScript で極める現場の React 開発』は完全新作で、前作の内容を踏まえた上でどうすれば React でチーム開発がスムーズにできるようになるのか、そのための考え方やツールについてを紹介したものになっています。
あまたあるツール類の単なる紹介だけに終わらず、テストについて Web フロントエンドにおいては何をテストするべきかというところから考察したり、また React 公式ドキュメントの流儀を推し進めて、Redux やテストを絡めてどんな順序やガイドラインでコードを書いていくべきかなども提案しています。
2 冊ともに上記リンクの BOOTH のショップページに、目次と無料サンプルの見本誌 PDF が掲載されていますので、興味を持たれた方はご覧になってください。
なぜこんなに早く改訂版を出すのか
『りあクト! TypeScript で始めるつらくない React 開発 第 2 版』に関して、初版が出てわずか半年しかたってないのに、なぜ増補改訂版を出すことになったのでしょうか。その理由は Web フロントエンド、特に React 界隈の技術革新のスピードが狂ってる^H^H^H^H 恐ろしく速いからに他なりません。
初版の内容で扱った技術の中で、2018 年 10 月 8 日から 2019 年 4 月 11 日までのおよそ半年の間に死亡が確認された、もしくは余命を宣告された技術はこれだけあります。
- Recompose …… HOC(高階コンポーネント)ユーティリティ。React Hooks の発表直後にメンテナンス停止をアナウンス。
- create-react-app-typescript …… 本家 Create React App が TypeScript を正式サポートしたため、非推奨に。
- TSLint …… ESLint との統合プランが発表され、近い将来に非推奨になるとアナウンス。
- TypeScript FSA …… Redux のための型安全な Action Creator ユーティリティ。作者が 1 年近く更新を放棄。
今がおそらく変革期のピークとはいえ、これはひどい(泣)
特に Recompose なんて一章まるまる使って解説して、それ以降の章のコードは Recompose の使用を前提に書かれていたわけですが、それがこんなにすぐ突然死するなんて執筆時には思いもよりませんでした。ちなみに、そのときのショックな心境を表したプレゼンがこれです。
この状況から仕方なく、初版の内容を大幅に書き直さざるをえなかったわけで。そりゃ Dan Abramov さんも直々に謝りに来ますわ。
そして増補改訂版となる今作の第 2 版では、Recompose → Hooks のリプレースに加え、初版で予定していながら執筆が間に合わなかった、(筆者待望の)Redux-Saga の章を追加しています。
さらに Create React App や ESLint の採用を始め、最新の TypeScript の型推論機能を使った Redux 周りの記述法の導入、その他各種ライブラリを最新版に置き換えるなど、内容は初版から大幅に変更されています。
また付け加えるとですね、前作はほぼ 2 週間という頭のおかしい短期間で書き上げたために内容的にアラが大きかったのです。誤字脱字が多かったのはもちろん、実はまちがっていた記述も中にありました。(だって校正もまともにやってなかったし……)
そのお詫びも兼ねて、第 2 版はかなり丁寧に作ってあります。無計画で夏休みの宿題も最後の 1 週間で手を付け始めるこの私が、なんと計画的に作業を進めて 1 冊めを 3 月 23 日に入稿し、それからまた 2 週間ちょっとかけて 2 冊めを 4 月 8 日に入稿して、さらに校正もやれる余裕が作れたのは、その読者に申し訳なかった気持ちがあったからに他なりません。
つよつよエンジニアに書評をもらえた話
ところで今回、図々しくもあの方に献本を申し出て「コメントをいただけませんか?」とお願いしたんですが、快くオーケーしてくれました。その方とは?
ここ、
そう、React コントリビュータでサイボウズ・フロントエンドエキスパートチーム所属、SmartHR の技術顧問でもある koba04 こと小林徹さんです。
私は何年も前から小林さんが提供される React についての情報に頻繁にお世話になっており、Hooks が発表されたのを知ったのも小林さんのこの記事。
そして Recompose のメンテナンス停止を知ったのも、小林さんのこのツイートでした。
"recommending that people use Hooks instead. Your existing code with Recompose will still work, just don't expect any new features. " acdlite/recompose https://t.co/PlTh71fUdL pic.twitter.com/NStWcuIust
— Toru Kobayashi (@koba04) October 29, 2018
そんな小林さんに、直接の面識もなかったのにいきなり Twitter で DM を投げたところ(しかも小林さんは私をフォローしてない)、「『りあクト!』もちろん知ってますよ! 自分でよければ、ぜひコメント書かせていただきます!」とおっしゃってくださいました。ああ小林さん、なんて優しい人なんでしょう。ついでに数箇所、内容のまちがいまで指摘していただきました。
書評については、入稿に余裕があった『りあクト! TypeScript で始めるつらくない React 開発 第 2 版』のほうを献本してコメントいただいたのですが、その全文を以下に紹介させていただきます。
React + Redux + TypeScript といった現場で使われている技術やなぜ使うのかがコンパクトに一冊に凝縮されています。会話のテンポもよく、React をうまく使うための考え方を楽しく学べる一冊です。本書を読んだ後に、公式ドキュメントを読むとさらに理解が深まると思います。
使われるライブラリは変わっても、その根底にある”考え方”は変わらないものです。是非紹介されている技術が “なぜ” 必要なのかを、ふたりと一緒に考えながら読んでみてください!
すごい、ちゃんと読んでくれてる!
そうかー、会話のテンポがよかったかー。楽しく学べるかー。えへへ。
というわけで、このありがたいコメントは当日のブースにも POP で使わせていただきます。なお、弊サークルがあるブースは「さ 02」。中規模の壁サークルが集まるエリアです。
この記事を読んで、弊サークルの本が買いたいと思った方は、このポスターを目印にいらしてください。
ブースでの販売とお取り置き
頒布物についての「おしながき」はこちらになります。これをご参考に買いたいものを決めてきていただければ、スムーズにお買い物ができると思います。
頒布するのは基本的に、
の 2 タイトルなのですが、それぞれ物理本と電子書籍版のダウンロードカードがあり、その組み合わせのバリエーションが 5 つある形です。オススメなのは全部入り四点セット、2,000 円です。 技術書典 6 が終われば、その後それぞれ委託先などでバラ売りになるため、それらを真面目に合計すれば 4,700 円になるはずのものを、イベント限定でこの価格にしています。
なお、印刷部数は多めに見込んでそれぞれ 700 部ずつを用意しています。ですが、これが多いのか少ないのかは、現時点では全くわかりません。ひょっとしたら早い段階で完売してしまう(だったらいいな)かもしれないし、数百冊売れ残ってどこかに委託することになるかもしれません。
ですので「確実に買いたい!」と思ってくださる方のために、今回はお取り置きに対応しようと思います。pixiv PAY のアプリでこちらの QR コードを読み込んで購入していただければ、その分はあらかじめお取り置きしておきます。
お取り置き対応するのは、全部入りセットのみです。お取り置き予約された方は、ブースにてスマートフォンの pixiv PAY アプリの購入履歴画面を見せていただければ、頒布物のセットをお渡し致します。
なお当日は、売り子さんのオペレーションの問題からブース販売での pixiv PAY でのお支払いには対応しません。キャッシュレスの支払い方法は、「技術書典かんたん後払い」のみとさせていただきます。
また、本が気になるけど当日の状況次第で、予約するほどでもないなと思われる方も、とりあえず以下からサークルチェックはしておいたらいかがでしょうか。
それでは技術書典 6 の当日、「さ 02」にてお待ちしております!